遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要となる事務を行う者のことをいいます。司法書士等の専門家が遺言執行者になる場合のメリットは、相続に関する実務経験・法律知識がありますので、執行続きもスムーズに行うことができますし、他の相続人から異議が出ても法律の説明などうまく対応することができます。
遺言執行とは、具体的には下記の事務のことをいいます。
- 権利を移転し、実現するために必要な事務(目的物の引き渡し、清算、管理、処分等)
- 対抗要件を備えるための事務(登記、登録、株券・預金・ゴルフ会員権等の名義変更
- 以上が妨害されているときには、それを排除する事務
※ 1が不要とされていても、残りの2、3の事務については、遺言執行者は権利を有し、義務を負います。
執行行為としての事務は例えば次のとおりです。
- 預金、貯金、株券、ゴルフ会員権等の名義書き換え請求
- 預金、貯金等の解約払い戻し請求
- 生命保険付き住宅ローンの完済手続きと抹消登記
遺言執行者には、専門家を指定しておくことが有用です。
メリット
相続登記がスムーズ
相続財産の重要な部分を占めるのは、不動産であることが一般的に多いです。不動産の相続登記に関する専門家は、司法書士であるから、間違いなく権利承継ができるようにするためには、遺言執行者には不動産登記業務に精通している司法書士に依頼して、指定しておくとスムーズに進みます。遺留分減殺請求が予想されるケースであれば弁護士とともに複数の遺言執行者を指定してもらうのも一つの方法です。そのときは、職務分担の定めも可能です。
遺言書の保管
遺言執行者となる専門家が遺言書を預かることもできます。
また、遺言者の生存の有無を確認したり、定期的な照会もいたします。