自筆証書遺言に日付の記載がない場合、遺言の効力はどうなりますか?

遺言書には、日付を自書しなければならず、日付の記載のない遺言は無効です。

遺言書に日付の記載が要求される理由は、作成時に遺言をすることができる能力があったかどうかや、内容の矛盾する複数の遺言があった場合にそれらの先後を確定するために要求されています(内容の矛盾する複数の遺言があった場合には後の遺言が有効となる)。そして、日付は自書しなければなりませんので、日付スタンプなどを用いた遺言も無効となるため注意が必要です。

また、「年月」の記載があっても「日」の記載のない遺言書は無効とされており、「年月日吉日」と記載された吉日遺言についても、日付は、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載されるべきで、吉日は、暦上の特定の日を表示するものとはいえず、証書上の日付の記載を欠くものとされます。

なお、遺言書の日付を記載する場所については、特に制限はなく、遺言書を入れた封筒に日付が自書されていれば、封筒も遺言書の一部と解して有効とされています。