相続の際、相続税を計算するための財産評価は、原則として時価によることとされています。そして、その評価方法は「財産評価基本通達」に細かく定められています。実務では通達に沿って財産評価が行われており、土地の評価もその権利関係・使用の形態・形状等々によりその評価方法は異なります。
例えば、更地および自用地については更地価額で評価し、建物または構築物の所有を目的として借地権が借地人に帰属する土地については更地価額から借地権価額を控除して評価し、本人所有の貸家が建てられている土地については貸家建付地として一定の評価減計算をして評価します。ただし、貸し駐車場になっている土地については、原則的には評価を減額するような定めはありません。
土地の評価は、「宅地」「畑」「雑種地」といった固定資産税評価の地目による区別はよく知られていますが、税務上ではそのほかに土地の使用状況、土地の上に存する他人の権利等の有無によっても評価が異なることに注意が必要です。同じ「宅地」という地目であっても、その宅地は更地であるのか建物が建っているのか、建物であれば、その建物所有者は土地の所有者と同一か否か、またその建物を使用する者は土地所有者であるのか否かという違いにより相続税の課税価額の判定にあたっては、一般に「更地」「自用地」「貸家建付地」「貸宅地」という区別がなされ評価が変わります。
相続税における不動産の評価額は、このような評価に加えて土地の形状なども関係しますから、税理士等の税務専門家の意見も参考にする必要があります。