死亡危急者遺言とは、疾病その他の事由で死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときに用いられる遺言です。死亡危急者遺言は
1.死亡の危急に迫った者が、証人3人以上の立会を得
2.証人の1人に対し遺言の趣旨を口授し、口授を受けた証人がこれを筆記し
3.筆記した証人がこれを遺言者と他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ
4.各証人がその筆記の正確なことを承認して署名・押印する
以上により、成立します。
口授の方法及び遺言能力は公正証書遺言に準じますので、遺言時に遺言者が遺言の趣旨を口授する能力がなければ遺言は無効となります。また、この遺言には、日付の記載は要求されておらず、遺言者の署名・押印も不要となっています。
死亡危急者遺言は公正証書遺言に似た手続きが定められていますが、遺言の日から20日以内に証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ効力を生じません。また、家庭裁判所は、遺言が遺言者の真意にでたものとの心証を得なければ確認することができません。