相続回復請求権

相続回復請求権とは、自らが相続人であるとして相続権を侵害している者に対し、真正相続人が、当該侵害を排除してその相続権の回復を請求する権利のことをいいます。相続回復請求権を行使するのは相続権の侵害を受けている相続人であり、相手方は、相続権がないにもかかわらず相続人であるとして、相続権を侵害している者となります。

相続回復請求権の行使方法としては、法律上別段の制限はありませんので、必ずしも訴えの方法によることを要しません。また、相続回復請求権は、実際には、共同相続人間で問題となる場合が多いと考えられています。

なお、不動産の登記手続きとの関係で、不真正相続人が相続財産である不動産について既に相続登記を経由している場合には、抹消又は更正の手続きにより、相続財産を回復していくことになります。

 民法884条

相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。