遺贈による不動産の名義変更手続について

こんにちは、司法書士の渡辺です。今回のコラムでは、遺贈による不動産の名義変更手続きについて書いていきます。

相続の際、遺言書があり、その内容として、相続人ではない第三者に不動産を取得させる記載があった場合に遺贈による不動産の名義変更手続きが必要となってきます。

この遺贈による不動産の名義変更手続きは、遺贈を受けた受遺者と、遺言執行者、または遺言執行者がいなければ遺言者の相続人全員の共同申請によります。

相続を原因とする不動産の名義変更手続きでは、相続人が単独で申請ができるのに対し、遺贈を原因とする際には遺言者の相続人または遺言執行者が手続きに関与する必要が生じてきます。そのため、相続を原因とする名義変更手続きよりも手続は難しくなる場合が多いです。

遺贈による不動産の名義変更手続きの必要書類

必要書類については、遺言執行者の選任がある場合とない場合で異なってきますが、以下遺言執行者の選任がある場合でご説明していきます。

・遺言書、遺言者が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)です。また、受遺者の戸籍謄本も必要です。遺言者と受遺者の死亡の前後が遺言の効力にかかわることがあるからです。

・権利証、登記識別情報通知書

・遺言執行者の印鑑証明書

・受遺者の住民票

以上のような書類が遺贈による不動産の名義変更手続きには必要となります。なお遺言書に遺言執行者の選任が無い場合でも、家庭裁判所に遺言執行者の選任をしてもらったうえで、遺言執行者と受遺者の共同申請によることも可能です。